BACK GROUND
石巻市には、日本でも有数の水揚げ量を誇る魚市場があり、100社以上の水産加工会社が地域の水産業を支えています。水産加工業は日本人の食生活において非常に重要な役割を果たしています。最先端の技術を駆使して、産地で水揚げされた魚が消費地でも新鮮なまま届けられたり、冷凍技術の進歩により保存期間が大幅に延びたことで、年間を通じて多様な魚介類を楽しむことができるようになりました。
しかし、水産加工業界は人材不足や技術継承の難しさに加え、実際の業務プロセスに適していないシステムの利用や、意思決定に必要なデータの不足など、さまざまな問題に直面しています。
このような複合的な問題の抜本的な解決に向けて、ITやAIをはじめとする先端技術を存分に活用し、業界全体の変革を目指しています。バックオフィス、在庫・品質管理の強化、そしてデータドリブンな経営モデルの確立を通じて、水産加工会社と共に業界の未来を切り拓きます。
PROJECT TASK
各種業務管理システムの提案、開発、導入支援
現場の声に耳を傾けながら、各社に最適なITソリューションの提供を目指しています。具体的なプロセスは以下の通りです。
- ヒアリングを通じた現行業務の棚卸し
- 業務負荷が高い部分や課題を擦り合わせ、理想的な業務フローの作成
- 理想フローの実現に向けたシステムの選定から導入までを支援
- 既存システムでは要件やコストに適さない場合は、独自にシステム開発、導入までを支援
DX分科会の実施


各社の支援に加え、地域や業界全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進するため、定期的に地域の水産加工会社を招いてDX分科会を開催しています。分科会では、次の3つのテーマを設定しています。
- 業界で生まれている良い事例を共有する
- 自社課題を整理し、行動計画を策定する
- AIなどの先端技術を理解し、活用方法を学ぶ
これまで情報を隠し合っていた同業他社との関係を刷新し、知見を地域内や業界全体で共有します。互いに学び合うことで、地域の事業者の意識や視点、生産性を向上させ、改善のサイクルを生み出すことを目指しています。
今後の展開
今後、業界の変革を実現するために、以下のような展開を予定しています。
- 他地域への展開
現在、宮城県石巻市での取り組みをモデルとして、他の水産加工業が盛んな地域への活動の拡大を目指します。 - 製造現場とバックオフィスをつなぐ製造管理アプリの開発
生産ラインの自動化・機械化に対応した管理システムを構築し、人手不足の解消やデータの可視化を実現します。 - 経営高度化のためのデータ可視化ツールの開発
水産加工業の経営をさらに高度化するために、各種データの可視化や分析をサポートするプロダクトを開発します。 - 外部人材、研究機関、企業との連携強化
技術力に強みを持った副業人材や企業、研究機関との連携を進め、上記の動きを加速させていきます。