BACK GROUND
TRITON PROJECT
フィッシャーマン・ジャパンの本拠地である宮城県石巻市では、水産業の担い手育成事業「TRITON PROJECT」を主軸に、行政や漁協、地元漁師、地域内外の企業と連携した事業を展開しています。
ISOP -藻場再生の取り組み-
「Ishinomaki Save the Ocean Project(=ISOP)」は、消えかけている海の森を次世代に続く海へとつくり変えるプロジェクトです。2020年から水産多面的機能対策事業を受託し、宮城県漁協石巻地区支所、フクダ海洋企画、フィッシャーマン・ジャパンで、ISOPを立ち上げました。今、海では磯焼けが起きています
磯焼けとは、何らかの原因で海藻が減り、生えなくなってしまう現象のこと。ISOPでは、定期的にダイバーとともに潜水業務を行い、海藻モニタリング、ウニ駆除、海中造林、岩盤掘削(海藻を付着しやすくするため)などを行っています。
また、子供漁業体験を通じて、子どもたちが海のことを知れる学びの機会を毎年つくっています。
蛤浜における森里海連環
石巻の沿岸をはじめ、三陸エリアでは、黒潮の大蛇行などの影響により2023年には著しい海水温の上昇を記録しました。それにより、漁業や牡蠣、ホヤ、ホタテなどの養殖に深刻な影響が出ています。海だけでなく、周辺の杉林は適切な管理が及ばず、倒木が目立ち、沢の水も枯れつつあるなど、陸地の状況も大きく変わっています。
現在、東北大学の協力のもと、海や山の環境モニタリングを行いながら、間伐や沢の整備を進めています。流域が小さく、湾奥の小さな蛤浜だからこそ、環境要因を比較的評価しやすいモデル地区になると考えています。
これらの取組みを通じ、環境の保護・改善を目指し、市民が自然に触れ合い学べる場、企業や研究機関との共創の場を提供することで、持続可能な地域社会の実現を目指しています。
水産加工会社のDX支援
ドローンボートの開発、運用試験
蛤浜に所在地を置く(株)うみねこカンパニーでは、漁師とタッグを組んで水上ドローンを製作しています。コストを最小限に抑えた設計を追求し、海洋環境の把握や藻場状況の自動撮影、防犯のための監視などが期待されます。漁業者青年部の取組みの一環として、実用化に向けた検証を行っています。
代替プラ素材 ホヤセルロース の開発
ホヤの一大産地である石巻のホヤ漁師と共に、ホヤ殻から代替プラスチック素材を開発しました。福島県のスタートアップ、トレ食(株)と連携し、ホヤ殻由来の動物性セルロースの精製・生産を進めています。ホヤ殻セルロースは動物性であり、植物性セルロースよりナノ化(超微細化)しやすい特徴を有しています。
軽さや強度、対膨張性などの研究を進め、単なるプラ代替ではなく、ナノ化しやすい動物性セルロースの特徴を生かし、素材や医療、製造業など、環境配慮型の新素材としての実用化を目指しています。
水産業と福祉事業所の連携
これまでフィッシャーマン・ジャパンでは、水産業の人材不足の解決に向けて、行政や漁協とともに担い手育成事業を進めてきました。その中で、近年、これまで漁業者の親戚や関係者が担っていた、ワカメの芯抜きや牡蠣養殖のための採苗器づくり、牡蠣むきといった仕事の人材不足が明らかになってきました。今後、ますます人手が足りない仕事は増えていくことが予想されます。
そこで、担い手育成事業で培った水産事業者とのコネクションを活用し、場所や時間に縛られない水産業の仕事を集め、福祉事業所に紹介。障がいのある方の水産業界への参画をサポートする取り組みを始めました。水産業にとって新たな担い手の育成、福祉業界にとっては仕事確保や工賃向上につながるWin-Winな取り組みです。

