BACKGROUND
近年、水産業に従事する人数の減少が続いています。加えて日本全体の人口減少も進んでおり、人材の確保が難しくなっています。しかし、ここで限りある人材を取り合うのではなく、限りあるからこそ一人一人の価値を最大化させる仕組みが水産業には必要です。
そこで注目が集まっているのが水産業における女性の活躍。しかしながら、漁業の仕事に従事する男性が減っているから、そこに女性をあてよう、ということではありません。
女性が自ら働きたいと思える仕事をつくることで、他の人たちにとっても働きやすい環境をつくり、人が絶えず来る、そして関わる全ての人の能力を発揮できるような水産業の形を目指します。
つまり、私たちが目指すのは、女性の権利を認める、という視点にとどまらず、女性という視点で水産業を見直すことにより、水産業をより現代社会の労働のありかたにフィットさせるということです。
PROJECT TASK
高知県水産業女性活躍推進
2024年度、高知県水産業女性活躍推進委託業務を通して、6箇所の事業者へ調査を行っています。さらに、高知県内ですでに活躍している女性を集め、水産業の現状の課題を学び合う「高知県の水産女子会」を開催しています。
事業者の調査は、高知県内の定置網漁業、養殖業、産地卸売市場の各所で実施しました。女性調査員が実際に10日間現場で作業体験をし、女性の視点から漁業の就労環境を評価。その現状と課題を明らかにします。女性の漁業・水産業への就業にあたり最も大きな障壁となると考えられる労働負荷にくわえ、これまでの研究で指摘されていた、設備、制度等のその他の要因にも注目しました。
これまでの調査で、定置網漁業、養殖業、産地卸売市場のいずれにおいても、女性の力でできない作業は少ないことがわかりました。時々力が及ばない作業も多少ありましたが、その多くは工夫次第で女性でも行うことができそうです。しかし、トイレなどのハードの設備面での課題があり、これらは事業者の努力によって整備されているため、金銭面のハードルから整備が行き届かない場合も多々あると考えられます。
今後は、女性の就業の壁になりそうな作業の実行可能性に関する、事業者側との認識のずれや、作業の工夫で上げられる作業の効率についても調査を進め、行政による支援のあり方も提案できるような調査・考察を進めていきます。